「国際オーガニックEXPO2017」~国際認証とSDGs~

パシフィコ横浜で8月24日、25日、26日の3日間で開催された「国際オーガニックEXPO2017」へ25日、行ってきました。

 

「オーガニックEXPO2017」の画像検索結果

 

会場はありとあらゆるオーガニック製品で、どこを見ても「オーガニック」。会場にいるだけで身体によさそうな、健康になるような雰囲気でした。

オーガニックマルシェには地方の有機野菜や美容コスメなどが販売されており、主催者企画ゾーンには食品から家具、お酒、ペット用品までが出展されていました。

 

たくさん目移りしながら歩き回っていましたが、15時からの博報堂広報室CSRグループ推進担当部長の川廷昌弘さんと、エシカルライフアドバイザーであり、国際認証をする会社の社長である山口真奈美さんのお話を聞くことが目的。「国際認証とSDGs(持続可能な開発目標)~サステナブルな暮らしを支える認証とSDGs~」というテーマのお話です。

 

「国際認証?SDGs?」とよくわからない単語が続いていますが、、

ここでいう国際認証とは、商品につく認証マークのことです。例えば有機JASマークは比較的有名なマークだと思いますが、有機栽培された農産物で、有機JAS規格の条件を満たしている商品に付けられるマークのことです。オーガニック製品として販売するためには、有機JAS認証を受けなければなりません。

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他にも、水産物に付けられる「MSCマーク(海のエコラベル)」や森林資源の保護が目的の「SFCマーク」などがあります。

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生産過程や流通過程が、倫理的に、正しく行われているかがチェックされ、基準を満たせば「認証マーク」が与えられます。違法な伐採や労働が行われていないか、厳しく審査されます。

 

一方で、国連が2015年9月に採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」は、経済・社会・環境に張り巡らされた、開発目標のことです。飢餓をなくすこと、すべての子どもに教育を、気候変動や防災まで盛り込まれています。全部で17の項目に分けられ、それに付随し169のターゲットを定めています。

参考:http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/

 

SDGsの12項目目には「つくる責任、つかう責任」とあります。「倫理的な消費をすることで、地球環境を守っていこう。企業も倫理的に生産しよう。」と掲げたものです。

 

そんなことを急に言われても、どうしたらいいか、私たちにはよくわからないのが正直なところです。そんなときに、上記した「認証マーク」を知るところから始めよう、という考えが1つにあります。このマークがついている商品を買うことで、ちょっと地球環境に貢献していることになる、ということです。

 

お話をされた川廷さんですが、博報堂に入社してから広告一筋だった川廷さん。2005年あたりから、環境を配慮した内容の仕事を受け持ち、そこからソーシャルな課題に取り組むようになりました。お仕事を通して課題先進国と言われる日本を見つめてきたといいます。しかし、そんな日本だからこそSDGsを有効活用できるのではと考えています。

 

SDGsといえばピコ太郎も普及活動をしているんです。新しいものに、新しい話題の人がまさにペンとパイナポーのように合体するのだなぁと思っていたのですが、なんと川廷さん曰く、ピコ太郎はボランティアで行っていたようです。制作したavexもボランティア。素敵です。

 

ピコ太郎も頑張っていますが、、ところで。

私たちの持っているもの使っているもの、食べているもの、どこでどうやってここまで来たのか、考えないことが当たり前になっていると思います。そういえば、この机はどこの山の木から作られたの?この魚はどうやってこの食卓まで来たの?少し想像してみることが、大切だとお二人はいいます。もしかしたら、違法な森林伐採をされた木から作られた机を使っているかもしれません。テレビでひどい森林伐採を見て「なんてことだ」と思っていても、その木を使っていたらショックですよね。「SFCマーク」のついた机であれば、そのようなショックは受けないで済みます。

 

「認証マーク」はSDGsの12項目目の具体的な取り組み方の一つとして位置づけられています。SDGsに基づく考えを企業が取り入れることは、経済や環境などと密接にかかわっている企業にとっては、今後の方向性を定めることにつながります。株主もESG投資といわれる、CSRに力を入れている企業に投資をするという傾向になっています。こういった一連の流れは、消費者の倫理的な消費を促すこととなり、ゆくゆくは持続可能な社会へとつながっていくという相乗効果が期待できます😊

 

万能で素敵すぎるマークに思えますが、認証にお金がかかったり、認証ビジネスなるものがあるなどの課題もあります。今後、今以上に認証マークが普及していくのなら、取り組まなければならない課題です。また、生産者から見ても本当にエシカル(倫理的)なのか?という視点も大事です。

山口さんは、すべて企業が持続可能性を意識し生産するようになれば、認証マークもいらなくなり、そのような社会が理想だといいます。川廷さんも、認証マークを使うことがすべての解決ではないと仰っていました。ただ、認証の意味、ないし「何について責任を果たしているのか」という商品製造の背景を想像することが、大切だといいます。

 

実はSDGs、2030年までが目標なのです。あと13年。。

でも、SDGsに日本社会全体が取り組んでいる流れがあります。2030年に目標が達成されるかどうかはともかく、足並みそろえてゴールに向かってスタートをきったことが意義のあることですよね。

2020年の東京オリンピック開催についてのお話も、今日さかんに出てきました。海外の人たちがたくさん来ても恥ずかしくない日本をアピールしたい。そこに「持続可能な取り組み」が位置づけられていることも、地球にとって、そして長い目で見たら日本にとって、ハッピーなことですよね!(^^)!

 

家にあるもの食べるもの買うもの、認証マークがついてもいいようなものにぜんぶしたいなあと、思ってしまいました。可能なのでしょうか。逆にお金がかかったり…?いかに生産者とその流通過程から離れた生活をしているのかを、思い知らされました。これからは想像力を少し膨らませてお買い物を楽しみたいと思います。

 

「『My SDGs』を作って取り組んでほしい」と川廷さんは締めくくりました。まず自分のできるところから、始めてみたいです。

 

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